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Rust Harvest|Rack

 

Artist : Yuma Kano
Size : H1500 W500 D380

 

Price : POA

 

 

“Rust Harvest|錆の収穫”
“Rust Harvest|錆の収穫”は錆にフォーカスしたマテリアル実験プロジェクト。 防錆はモノ作りの長い歴史において永遠のテーマである。錆は飛行機を墜落させ、船の速度を落とし、車のエンジンを故障させ、橋を崩壊し、鉄筋コンクリートの内部で広がり、銃弾を詰まらせ、洗濯機を破壊し、星の数ほどの自転車をスクラップにしてきた。だが、その悪者とされてきた錆をよく見ると、様々な色が複雑に混ざり合い非常に美しい模様であることに気づく。 そこで、普通であれば誰もが見捨ててしまうその美しい錆模様を量産し、新しいテクスチャーとしてプロダクト製品へ利用できないかと考えた。様々な実験を繰り返すなかで、錆びた金属板から錆のみをアクリル樹脂に転写させる技法の開発に成功した。日光・雨・土・海水を用いて金属板を錆びさせ、そこから錆のみを剥がした金属板を再び錆びさせ新たな錆を作り出すという一連の工程は、農作物を生産するサイクルと同じように錆の模様を“収穫”している。 自然の錆を扱いながらも、生産性・流通性・コスト面なども考慮し、形だけのデザインのみならず生産体制までをトータルでデザインした。錆を封じ込めたアクリル樹脂は、金属と違い光が透過する様子が美しく、長い年月により変化する錆の時間を止めたような素材となった。本来のアクリル樹脂と同様の加工性があるため、プロダクトやインテリア用品・建材としても使用可能であり、素材の無限の広がりを内包している。

“Rust Harvest Furniture”
“Rust Harvest|錆の収穫”で収穫した素材を用いた家具コレクション。 アクリルならではの光の屈折と厚みを通して見る錆は非常に神秘的であり、まるでどこか遠い惑星の大地を覗き込んでいるかのような感覚になる。アクリルとは別に一部分だけその錆由来の金属(赤錆=鉄、青錆=銅)を使うことで、錆の色と元の素材の対比を表現した。金属部分はあえてコーティングせず無垢のまま仕上げ、湿気などで自然と錆が発生し何十年も経過したのちにアクリル部分の錆と同じ色になることを想定している。錆、アクリル、金属という自然素材と工業製品が融合した、非常に美しい彫刻的な家具である。

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